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Shine Blog

桐生貴政という読み物。

【派遣業界】家電量販店のブロバンスタッフはなぜ人手不足なのか?

時事

女性

 

家電量販店では光回線などのブロードバンド案内員のことを”ブロバンスタッフ”と呼びます。

 

この言葉は大手光回線サービスのスタッフから各ISP(インターネットサービスプロバイダ)スタッフまでを指します。

 

会社により違いはありますが、家電量販店に常駐するブロバンスタッフにいわゆる「正社員雇用」の人はほとんどいません。自社での契約社員の方もいますが、一番多いのが委託先(派遣会社)からの派遣社員です。

 

今回はこの派遣社員に絞った話ですが、地方ではこの”労働者派遣契約”でのブロバンスタッフが何年か前から慢性的な人材不足に陥っています。

 

 

ブロバンスタッフは嫌われ者なのか?

この職種は接客業ではなく説得業だと言っていた先輩がいましたが、ブロバンスタッフはインターネットサービスの契約がメインの業務です。長い時には2時間以上かけてサービスの説明をすることもあるので、説得という言葉は確かに的を得ているかもしれません。

 

基本的には委託元である会社は大企業であり、コンプライアンスも厳しいので何よりもクレームやトラブル防止が念頭に置かれる職種でもあるのですが、勧誘手段としてくじ引きなどのイベントを開催することもあり、しつこく勧誘されて嫌な思いをした経験のある人もいるのではないでしょうか。

 

正直に言えば、長年の人材不足によりスタッフスキルにはかなりの差があります。また、店舗に常駐するブロバンスタッフに”お客様を連れて行く”ということが専門のスタッフも存在するので、こういった役割のスタッフの方が押しが強くなることは確かです。

 

もちろん個人差はあるので一概には言えませんが、嫌な思いをした口コミの方が広まりやすいことを考えると悪い噂が広まりやすい業種ではあるかもしれません。こういった背景から長年の口コミによって、求人に募集が集まりにくくなっているということもあるのかもしれません。

 

 

『業務内容が難しそう』という人も多い

先に述べたとおりブロバンスタッフのメイン業務は契約です。ですが家電量販店のブロバンスタッフの業務内容は多岐に渡ります。パソコンを中心に家電品の説明をすることもあれば、場合によっては店舗との交渉役になることもあります。

 

基本的には常駐している店舗との間に雇用関係はないので、店舗から指示をされるということはコンプライアンス違反であり、ブロードバンド回線以外の家電製品についての販売業務も本来はしてはいけない立場です。

 

これについては長年業界に燻っている問題でもあるのですが、この決まり事を順守している店舗もあれば、ほとんど自店のスタッフのように扱う店舗もあったりします。その問題を置いておいたとしても最低限のパソコンやスマホの知識は案内する上で必要な知識であり、今ではスマホ+光コラボ+電力プランとのセット商品も数多くあるので、覚えなければならない知識は多いです。

 

加えて常に料金プランやサービス内容が変動していくので、自社と他社のキャンペーン内容や解約違約金についての遍歴を覚えるまでには1年ほどの時間が掛かるかもしれません。

 

新たに光回線を契約する方であれば案内はそれなりにシンプルですが、今ではすでに何かしらの回線を契約している方がほとんであり、案内する相手によって様々なタイミングでサービスに加入しているので、一番大変なのはこれまでの業界遍歴を覚えることかもしれません。

 

 

時給1,500円、交通費別途支給でも集まらない

ブロバンスタッフの派遣での募集では、地方であっても時給1,100~1,200円以上が相場です。クライアントから委託先に支払われる金額は守秘義務があるので書けませんが、急を要する募集の場合、時給1,500円以上の求人募集も出ていたりします。

 

ですがそれでも中々募集が集まらないことも多いのです。特に20代の若年層からの希望者は年々減少傾向にあります。有期の派遣契約なので仕方のないことではありますが、長期的に働かないと必要な知識を網羅できない業種でもあるので、サービス品質の低下に繋がる根本的で重要なブロバン業界の課題であるとも言えます。

 

もちろん事前研修が義務化されている業態ではあるのですが、私の知る限り大抵は2日~1週間程度です。自社雇用の会社だと1ヶ月くらいの研修がある企業もありますが、委託契約の企業ではそこまでの予算はありません。

 

そういった実態から、ある程度は接客や販売の下地がある人材でないと難しい業種ではあると思いますが、時給1,500円であれば他のサービス業から転職しても給料が上がる人も多いと思うのですが、やはり長期的な仕事というイメージではないのかもしれません。

 

 

ブロバンスタッフで得られるメリット

私がブロバンスタッフとして現場で稼働していた期間は2年半くらいで、業界には5年弱ほどいました。その間に現場で得たメリットといえるものとしては

①家電製品についての知識

②回線活用についての知識

③対人緩衝スキルの向上

が代表的なものです。

 

②については各社の料金プランやサービス面での違いや、動画コンテンツやWi-Fi活用によるスマホ料金の圧縮などですが、③についてはブロバンスタッフの関係性の複雑さによって得られるスキルです。

 

派遣契約のブロバンスタッフを雇用しているのは派遣会社です。その大元のクライアントは大手回線企業であり、配属される店舗はクライアントのクライアントである家電量販店です。読んでいてもややこしいと思いますが、実際に働くとこのややこしい関係性の真っ只中で、コンプライアンスとグレーな部分を人間関係で上手く切り分けながら信頼関係を築き上げる必要があります。

 

大元の企業にクレームが入っても致命的な上に、常駐している店舗にクレームが入っても店舗に居られなくなる事態に陥ることもあります。そういった意味で対人緩衝スキル、言い換えれば”世渡り上手”な立ち回りを覚えなければ生き残っていけません。

 

ある程度は煙たがられても勧誘活動を行うメンタルの強さや、その中で話をして貰える接客スキルが求められる職種であると言えます。

 

 

最後に

タイミングやクライアント企業、経験や実績によっては時給1,800円を越える待遇になることもある”ブロバンスタッフ”。販売業の非正規雇用で月給30万円以上稼げる仕事はそう多くはありませんが、それでも慢性的な人手不足となっている背景にはこういった事情があるからなのかもしれません。

 

 

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